neverjpのぶらり日記

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紙問屋のオンラインシステム

長期出張から東京へ戻って、まず最初にしたことは、システムジェネレーションのトラブルシューティングでした。客先でシステムディスクができないというものです。システムジェネレーションといえばMTのマスターテープとカードのパラメータからシステムディスクを造ることでした。今のパソコンではプリンタのドライバ等が後付けで簡単にインストールできますが*1、当時は装置の論理テーブルや物理テーブルはジョブの実行時に対応付けられましたから*2、システムジェネレーション時には装置の種類やその数はジェネレーション・カードで指定しておかなければなりませんでした。後日述べますSSG*3でのシステムジェネレーションの標準化が行われるまでは広義のOSは客ひとつひとつで違っていました。それゆえトラブルのサイトではジェネレーション・カードの検証を行いました。
その次に行ったのは小型機のオンラインプログラムの作成でした。インクワイアリ・アンサのプログラムでした。今でいうインタネットでのWEBプログラムです。お客はNリースで記憶装置32KBの中でリカバリを行うためにアフタルック、ビフォルックをディスク・ファイルへの出力時に行い、クイックリカバリ、ロングリカバリを可能にしました。このオンラインのパッケージはPACSIIと呼ばれ中型機ではPACSIVと呼ばれていました。この経験・知識を基にこのあと一人(開発には複数人数係わりましたが)で紙問屋のシステム開発に用立てました。オンラインシステムの3大機能は、インクワイアリ・アンサ、メッセージ・スウィッチング、ディスパッチです。インクワイアリ・アンサは在庫照会、メッセージ・スイッチングは端末同士のプチメーリング機能、ディスパッチは倉庫への出荷指図に使用しました。
各マスタのインクワイアリ・アンサはDTF*4を一つ定義しておき、ファイルが違うごとにDTFテーブルにファイルに合った数値を入れプログラムに供しました。DTFテーブルをよく研究しファイルのオープンクローズで何を行っているかロジカルIOCS*5でのレコードのブロッキング、デブロッキングなどを調べました。このことによりインクワイアリ・アンサのプログラムは非常にコンパクトになりました。
デスパッチ・システムではDAMファイルを用いリカバリシステム機能は持たせませんでした。システムダウンのときはこのDAMファイルより立ち上げました。その他オンラインプログラムを利用してカードtoプリンタをコンカレントに実行できるようにしました。
在庫マスタ、得意先マスタはISAM、受注データはDAM、売り上げデータ、仕入れデータはSAMでした。紙問屋の要諦は在庫マスタ兼商品マスタでそのISAMのキーには商品コードのほか連量も加えました。連量とは紙の単位を示し、1m×1m×紙千枚の重量です。一般の紙と巻紙も商品の中に含めました。開発する中でいろいろ問題点も出ました。営業マンが在庫を確保するため余分に商品を引き当ててしまうため、本当に受注した時引き当てができないということもありました。また在庫金額が先入れ先出しということがあって返品が来た時どの金額を適用するかが問題でした。数量を重視すると金額があいまいになり金額を重視すると数量が合わなくなってしまうという問題でした。ディスクスペースが余りないことから履歴を残すことができずシステムのスタート時には数量、金額を両方とも正確に把握することができず、途中で棚卸せざるを得ませんでした。これが私にとって初めてのSEサービスとなりました。

↑NHK趣味工房シリーズからカラオケ「ふるさと」(1番のみ)
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*1:Plug in機能

*2:Job Control Program

*3:System Service Support Group

*4:Define The File

*5:Input Output Control System