母の３４年目の命日に墓参で家族と一緒に行ってきた。母が亡くなった日は八重桜が満開だったが、当日はもう散ってしまっていた。母の誕生日には長兄と墓参に出かけるが、命日前後の日曜日には私の家族で行っている。アメリカに行っていて、いかれなかった年を除いて、命日には毎年墓参している。母は７０歳で亡くなったから、私もあと４年でその年になる。こうして考えると母にはあと１０年は生きてほしかった。母とは米軍宿舎のあった原宿のワシントンハイツ（今の代々木公園）の勤めの帰り、渋谷で１０円鮨をご馳走になったことがある。あのころは物価がまだ安定してなくて当時としては母の給料では高かったことだろうと想像するが、大変旨かった記憶がある。原宿ではなくどうして渋谷かというと電車の定期代が原宿の方が１区間高くなってしまうからだ。それで１つ前の渋谷で降りて徒歩でワシントンハイツに通勤していたわけだ。そんな苦労をしていても母は大変子供たちには優しかった。
親孝行もなかなかできなかった。ただ大学の４年生の時東京から車を持ち出し、北海道内を車で旅行したぐらいだ。長兄が米国にいたとき我々夫婦と母と長兄とその娘の５人でヨセミテに行ったのが楽しい思い出だ。もうあの頃には帰れない。写真は墓参で持って行った花と、母の名前と命日が刻印された墓標だ。
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